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君無き世界(倉庫)

イチウリ妄想暴走日記へのご来訪、ありがとうございます^^

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一雨☆拍手SS 『ワンピース』

  ワンピース


「黒崎、ちょっといいか?」
 普段なら憎まれ口しか叩かない珍しい奴が、教室で普通に俺を呼び止めた。
 どうした風の吹きまわしだ?
「何だよ?石田。」
「これなんだけど・・・・・・・」
 そう言って石田が徐に広げたのは、ライトグリーンの・・・・・ワンピースだった。
「えーっ・・・・・・と。これを俺に見せてどうすんだ?」
「似合うかどうか感想を聞きたい。」
 似合う?似合うって誰が?まさか・・・・・・・・お前っ?!
 そんなキモいこと聞かれても・・・・・・・・キモ・・・・・。
 似合うかも・・・・・・・。
「いや、似合うんじゃね?」
「そうか。コサージュみたいな物はあった方がいいかな?遊子ちゃんはそういうの着けるかい?」
「は?遊子?」
「・・・・・・・・?君のお父さんに遊子ちゃんのワンピースを1着あつらえてくれと頼まれたんだが・・・・聞いてないのか?」
「そうなのか?初耳だぞ」
「5月6日が双子の妹さんたちの誕生日だろ?その日に間に合うように依頼され・・・・・・・待て!なら今君は誰に対して似合うと言ったんだ?」
「いや、お前いよいよ自分の分も手がけるようになったのかと・・・・・・・・」
「何でだ!そんな趣味ないよ!!」
 作るのにか?どうにも説得力ねえぞ。
「それよりこのワンピース!遊子ちゃんに似合うのか?似合わないのか?どっちだ!!」
「ああ、まあ、似合うかな?」
「コサージュは?」
「や、あれば着けんじゃねーの?」
「分かった」
 石田が会話を終わらせてそそくさと自分の席へ戻る。
 ライトグリーンの清楚なワンピースを畳む石田の手許を見ながら、俺は何となくそれを口にした。
「それ、遊子よりお前のが似合いそうだよな?」
 一瞬顔色を変え、直ぐに笑顔を浮かべた石田が。
「まずサイズ合わないから色々無理だよ?黒崎」
 そう言って、手加減無しに俺をぶん殴った。


◆双子のお誕生日に合わせてみました。相変わらず一言多いうちの一護です。
 
 

拍手[3回]

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23:49の方!『君は手強い純情』 4343リク UPしました!


    君は手強い純情



最初は…………

妄想が過ぎて、いよいよ幻聴が聴こえたのかと思った。

「わり、石田。もっかい言ってくれ……。」
「何度も同じ事を言わせるな。人の話はちゃんと聞け。その耳はアクセサリーか?」

いや、聞いてた。聞いてたとも。
でもその内容があまりにもお前の口から出たとは信じられなくて、確認したくもなるだろ?



「お疑いなら何度でも言ってやる。僕はどうやら君の事が好きらしい。そして概ね不本意だが、たまにはSEXしたいと思えるくらいには、君に惚れてる。非常に残念な事にね。」



何か所々引っ掛かるが……。
俺、こいつに、好きだって告白されたんだよな?これ、間違いないよな??
俺!俺も!ずっと好きだった。石田の事。すげえ好き。マジ好きだ。
俺たち、両思いだったのか?俺の一方通行じゃなく、好きを返してもらえるんだよな?そうだよな?
どうしよう……嬉しくて、ちょ、涙出てくる。かっこ悪いな畜生。あ、返事!
返事、返さなきゃな!

「……石田、俺、俺も…お前のこと……。」
「じゃ伝えたから。」
「好…………え?」

…や!ちょっと待て!何背中向けてんだ?立ち去ろうとしてんだ?何を一人で完結してんだよ!?

「待て待て待っ……待てっつってんだろ止まれ!!」
「………何?」

おま!今俺に告白したよな?何でそんな不愉快そうに振り向く訳?
何でそんな親の敵を見るよな眼つきなんですか??

「今、今の告白だよな?俺の事好きって言ってくれたよな?あれ?もしかして罰ゲームでしたとかってオチじゃないよな??」
「ないよ。罰ゲームなら死んでも君に告白なんかするものか。」

いや……嬉しいけど、微妙に傷付くぞ。その言い方どうよ?

「じゃ何で俺の返事聞かねんだよ!?」
「返事?するのか?」
「お前な!普通告ったら返事を待つもんだろうが!!」
「だって君、僕の事嫌いだろ?」
「はあ?!はああ??」
「ちょっと話すと喧嘩になるし、目が合うと眉間の皺3倍増しで逸らすし。何より黒崎が僕に向ける霊圧はひどく攻撃的で……嫌われてるんだろ?」

いやいやいや!それは違う!断じて違う!
話すと喧嘩腰になるのはお互い様だろ?こっちはもう石田のことガン見してっから、いきなり目が合うとビビッて目ェ逸らしてんだよ!霊圧は……スマン。妄想が暴走してる。

「嫌いじゃねえ!嫌いじゃねえよ!」
「そうか?君の気持ちは分かった。じゃ僕はこれで……。」
「そこでENDにすんな!何帰ろうとしてんだてめ!おめーが人の話を聞きやがれ!」
「話………?」

石田がやっと話を聞く体勢になったので、俺は一回大きく息を吸い、そして思いっきり言い放った。



「俺は石田が好きだ!!無茶苦茶好きだ!!死ぬほど好きだ!!お前なんかよりなあ、俺のがずっとずっとずーーーっと惚れてんだ!!惚れ千切ってんだよ!!まいったかこの野郎っ!!!」



夕焼けが迫る放課後の体育館裏。俺は一生にそう何度もないだろう、小っ恥ずかしい告白をした。
いや、告白返しか?とにかくぶちまけた。
石田は驚いた様子で目を見開き、眇め、眉間に皺を寄せた。
でも顔は真っ赤で……ちょ、これは反則だろ?石田が可愛いんだぜ?あり得ねっ!
石田のことは本当に好きだけど、んなりアクション見たことねーよ!不味いって!我慢できね!

「く……黒崎。」
「なに、何だよ?」
「…………まいった。」

限界。

俺は石田を抱き締めた。このまま攫っちまいてえ程に、強く。石田の体は柔らかくはないけど、思ってたよりずっと抱き心地は良かった。いい匂いがする。石田の匂いだ。
すげえドキドキしてる。体温2度くらい上がった気がする。そんな訳ねえけどする。
こんだけ近づけたのに、まだ足りねえ。もっと欲しい。お前が欲しい。

          キスしてえ。今。

いいかな?駄目かな?でもいい雰囲気だし……これ、GOじゃね?行けそうじゃね?
ちょ!展開早ェよ!あ、抱き締めて展開早くしてんの俺か?うっわ、どうするよ……。
俺は覆い尽くすように抱いていた腕を少しほどき、窺うように石田を見る。
艶やかな黒髪。こういうの、射千玉のような髪っていうんだな。昔古典で習った。
作り物のような白過ぎる肌は、衣通姫を彷彿とさせる。いやこいつ、すげえ綺麗な顔してねえか?
何だよ?俺今まで石田のことちゃんと見てたのか?印象が全然変わる。ヤバい。ヤバい。
俺実は面食いだったのかな?どうかな?そうかな??

「黒崎……?」

石田の唇が、俺の名前を象って動く。駄目だ。本日2度目の限界来た。

「石田………。」

好きだった、お前のこと。ずっとずっと。
何時何処で何をしていても、不意に石田を思い出して、切なくなるくらいには。
お前の声を思い出して、怒った顔を思い出して、仕草を……ノートに書かれたお前の筆跡をも思い出して、忘れられなくなるくらいには、胸が締め付けられるくらいには。
俺は石田が好きなんだ。
焦がれてた。何度も想像した。お前を手に入れる瞬間を。
嬉しくて泣けてくる。俺はもう、我慢しなくていいんだよな?
もうお前に、キスしてもいいよな…………。
ゆっくりと、俺は唇を寄せた。石田は押し黙ったまま、何の抵抗も無い。
俺はそれを肯定と取り、そのままフワリと目を閉じた。

次の瞬間。

ドコッッ───!!

俺の鳩尾に……石田の膝蹴りが入った。
ちょ…、待っ、このタイミングでおまっ、そっ……………………すげ……いてぇ…………(涙目)

「あ、モロに入ったね?ごめん。でもこういう事は、やはり順序を踏まえないと。」

何言ってんだ?順序と膝蹴りとどう関係あんだよ………。

「告白して即、キスするのは少し性急だと思う。まずは一緒に登下校から始まって、休日デートを重ねる。間にイベントとかもクリアして、その後に気分が高まったらキスという運びだ。」

何だその絵に描いたようなギャルゲーフラグッ!?
ルキアがこいつのこと天然とか言ってたけど、これか?こういう事か?

「高校生らしい振る舞いの付き合い方をしよう、黒崎。」

馬鹿だ。清らかな馬鹿がいる。今時の高校生の俺に、どんだけ清廉な物腰を期待してんだ?
ぶっちゃけ今すぐにでもやりたいくらいなんだぞ俺は!無茶言うな!!
お前……俺がどれだけお前のことひん剥いて、やりたい放題脳内SEXして来たと……マジで当分お預けか?うっわ凹むわ………。
 
「黒崎?今日は一緒に帰れるのか?」
「…………………ああ。」
「じゃ帰ろう。途中までだけど。」
「ああ……。」

告白したのは石田だけど、俺のがメロメロだよなどう考えても。
いいよもう。どうせ石田が告らなかったら、俺の脳内でのあれこれは出来ないままだったもんな。
待つよ。もう少し。好きだから。
そんでどうしても、二進も三進も行かなくなったら……………襲う。


俺はそんな不埒な考えを頭の隅に置き、告白した割りには初々しさや甘さの欠片も無い、いつも通りのクールな石田の後に続いた。


                                                       続きます


■ 取り敢えずこれでUPして問題無かったかな?ちゃんと終われてるかな?ドキドキvv
□ 次はデートや何やでドタバタする予定です。も、暫くお待ち下さいね(汗汗)

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