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これ既に小説と言っていいんじゃ?
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一人の死神が零番隊に入った等という些末な事は、王族の間では話題にも上らない。
だがその日、雨竜は偶然にも侍女たちの噂話を耳にした。
「新しく零番隊に抜擢された死神の話、知ってる?」
「あら、そうなの?ここにはそんな話は上がって来ないから・・・・」
「曳舟隊長が強く推挙されたとか」
「曳舟隊長が?」
「ええ。先の王印の事件があったでしょう?その時随分と手柄を立てたみたいで、すっかりお気に召したらしいの」
「珍しいわね・・・・曳舟隊長の推挙も、あなたが貴族の誰でもなく死神の話をするのも」
「だって!ちょっとカッコイイのよ!!」
「ああ・・・・顔」
「髪の色も変わってて、オレンジ色なの!でも素敵なの!」
───パリィィ・・・・ン。
一輪挿しが僕の手から滑り落ちた。
「まぁ・・・雨竜様!お怪我はありませんか?」
「あ、ごめん。水を替えようと思って・・・・」
「そのような事、私どもにお申し付け下されば宜しいのに」
二人の侍女が僕の足元に跪き、飛び散った欠片よりまず僕の裳と沓を拭く。
慌てて飛びのいて粉々になった破片を拾おうとするが、哀願するように止められてしまい、所在なく彼女たちの手元を眺めた。
さっきの話を彼女たちに問い質したい。
オレンジ色の髪なんて・・・・染めているだけかも知れないし。
「あの・・・・」
「何でしょう?雨竜様」
「その死神の名前は?」
「死神?」
「オレンジ色の髪の」
「ああ・・・あら?何て言ったかしら?」
覚えていないようだ。
零番隊に配属された只の死神が、この後宮に来る事はまず無い。
いや、人違いだ。
あいつが・・・・黒崎が瀞霊廷を離れて、ここに来るなんて有り得ない。
朽木さんや、阿散井や、茶渡くんや、井上さんに、もう二度と会えなくなる・・・・・遊子ちゃんや夏梨ちゃんを、大切な家族を護ってあげられなくなる。
そんな犠牲を払ってまで、ここに来る意味は何も無い。
僕は自分にそう言い聞かせたが・・・・
後日、零番隊に新しく入隊した男の名が『黒崎一護』である事を知った。
───まだ続く^^;