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ワンピース
「黒崎、ちょっといいか?」
普段なら憎まれ口しか叩かない珍しい奴が、教室で普通に俺を呼び止めた。
どうした風の吹きまわしだ?
「何だよ?石田。」
「これなんだけど・・・・・・・」
そう言って石田が徐に広げたのは、ライトグリーンの・・・・・ワンピースだった。
「えーっ・・・・・・と。これを俺に見せてどうすんだ?」
「似合うかどうか感想を聞きたい。」
似合う?似合うって誰が?まさか・・・・・・・・お前っ?!
そんなキモいこと聞かれても・・・・・・・・キモ・・・・・。
似合うかも・・・・・・・。
「いや、似合うんじゃね?」
「そうか。コサージュみたいな物はあった方がいいかな?遊子ちゃんはそういうの着けるかい?」
「は?遊子?」
「・・・・・・・・?君のお父さんに遊子ちゃんのワンピースを1着あつらえてくれと頼まれたんだが・・・・聞いてないのか?」
「そうなのか?初耳だぞ」
「5月6日が双子の妹さんたちの誕生日だろ?その日に間に合うように依頼され・・・・・・・待て!なら今君は誰に対して似合うと言ったんだ?」
「いや、お前いよいよ自分の分も手がけるようになったのかと・・・・・・・・」
「何でだ!そんな趣味ないよ!!」
作るのにか?どうにも説得力ねえぞ。
「それよりこのワンピース!遊子ちゃんに似合うのか?似合わないのか?どっちだ!!」
「ああ、まあ、似合うかな?」
「コサージュは?」
「や、あれば着けんじゃねーの?」
「分かった」
石田が会話を終わらせてそそくさと自分の席へ戻る。
ライトグリーンの清楚なワンピースを畳む石田の手許を見ながら、俺は何となくそれを口にした。
「それ、遊子よりお前のが似合いそうだよな?」
一瞬顔色を変え、直ぐに笑顔を浮かべた石田が。
「まずサイズ合わないから色々無理だよ?黒崎」
そう言って、手加減無しに俺をぶん殴った。
◆双子のお誕生日に合わせてみました。相変わらず一言多いうちの一護です。