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君無き世界(倉庫)

イチウリ妄想暴走日記へのご来訪、ありがとうございます^^

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真面目に王族ネタ書いてます

■何だか寝付けなくて仕上げてしまいました。
■今日ジャンプ買いに行けるかなぁ・・・・眠い==;

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「そんな・・・・何故、皇子がここに?」

 思わず漏らした菖蒲の言葉に、僕は違和感の上に更なる疑問を重ねた。
 この霊圧は間違いなく魂雷命皇子のものだ。
 菖蒲は幾許か前、皇子が来ると言っていた。なのに、今はあの男の訪れが予定外のような口振りだ。
 僕を捕らえていた男の手が離れ、自由になった指で黒崎に貰ったリングを握りしめた。男の気配は消え、空気に溶けたように紛れ、もう何の痕跡すら見当たらない。

 皇子の来訪はハプニング?名前を使われただけなのか?
 それとも手筈が違ってきている?
 だがもし、皇子がこれと関係ないのなら。

 動いているのは何者だ?

 そして皇子は何をそんなに殺気だち、ここへと急ぐんだ?


 ─────ドンッッ!!!!


 バルコニーの手すりが崩れ、奮迅が舞い上がる。
 その中に、いつもの霊圧の質とは違う、例えるなら支配者のオーラとでも言うか・・・・周囲を圧倒する畏怖を纏い、皇子が立っていた。

「・・・・・・雨竜、こっちへ来い」

 従わせる力を言葉に持っているような、抗い難い覇者の声。
 思わず足を踏み出しそうになったが、僕の高すぎるプライドが辛うじてそれに抵抗した。

「雨竜!」

 皇子が苛立ちを含ませてもう一度僕の名を呼ぶが、今はまだこの声に応じるには危険が過ぎる。この男は最初から得体が知れない。
 愚かに見せていたのか、本当にうつけなのか、判ずるのは困難だ。
 愚かに見せていたにしろ、皇子が僕を呼ぶのには裏があるとしか思えない。
 この状況を打破すべく次の行動について考えたくとも、余りにも情報が不足している。
 誰も信じられない。味方もいない。敵の見分けもつけられない………。

 そんな僕の堂々巡りな思考を止めたのは菖蒲だった。
 彼女は持っていた懐剣で、僕の心臓を突こうとした。
 当然僕は飛簾脚で逃げる。そしてそのまま部屋を飛び出し、回廊をひたすら走った。
 一瞬、皇子の霊圧が膨れ上がったが、直ぐにその気配は弾けるようにして消えた。

 何が起こっているのかを確かめる余裕もなく、広大な結界に覆われた後宮のたったひとつの出口を目指し、僕はただ駆け続けた。

 身を護る為の技は全て取り上げられ、残るは自分の決断のみ。
 逃げるべきだと、本能が教える。
 だが、一体何から?
 煩わしい衣装を脱ぎ捨てても、この後宮から出られたとしても、僕の居場所はどこにもない。
 黒崎はどうしているだろう。
 王の居城の様子が知れず推測しか出来ないが、もしもここと同じように賊が入ったのなら、まだ見習いである黒崎は恐らく城の外での任務に就いてるだろう。
 無茶してなきゃいいけど・・・・・。
 僕に居場所はなくても、心の拠り所はある。
 黒崎に貰った指輪を握りしめれば、やるべき事が見えてくる。
 行き先は瀞霊廷でも現世でもない。
 黒崎のいる、王の膝元だ。

 後宮の唯一の出口である扉にたどり着く。
 僕は震える手でそれを押し開けようとした。

 瞬間。

 何の音も無く、ただ力だけが僕の動きを止めた。
 霊圧が扉を押すこの手を封じたのだ。
 それに少し遅れて、僕の腕は風のように追いついた、皇子の大きな手に掴まれていた。

「我から逃げるな」

 いつもの皇子とはまるで違う。
 王族とは、これほどまで他を圧倒するものなのか。
 命令が絶対であるかのように、指一本動かせない。声すら自由にはならない。

「王より戴いた指輪はどうした?」

 指輪。
 あれが一体何だというんだ?

「・・し、知らない男・・・が・・・・」

 重すぎる霊圧で呂律が思うように回らない。

「盗られたのか。では、こっちは何だ?」

 皇子が胸のリングを手に取る。

「・・・・・やめっ・・」
「オモチャだな。誰からのものだ?」
「そ、そんなの・・・・」
「王に賜ったものより、こちらの方が大切か?」
「・・・・・そ、れは・・・」

 大切だ。いけないか?
 今まで僕が手にした絹よりも黄金よりも、僕の命よりも大切だ。

「・・・・・あのジジイはやっぱむかつく」
「・・・・・・?」
「それで?お前の敏腕ボディーガードコンビはどこだ?」

 質問と共に霊圧が消え、僕は肩で息をしながら何とか答えようとした。

「朝から見てない・・・・見ておりません」
「職務怠慢だな。ここぞとばかり左遷してやる」

 何だか響きが子供っぽいぞ。

「まだそうと決まった訳ではございません」
「お前の側にいないという理由だけで十分だ」
「あんた・・・皇子こそ、こちらへは何を?」
「俺はジジイの言いつけで来た」

 嘘だろ。

「王が僕・・・私の身を案じて皇子を遣わされたと?」
「実際、やばかっただろうが。さっきの女は拘束した。男の素性も直き知れるだろう」
「左様で・・・・・」

 僕は今直ぐあんたからも逃げ出したいんだけど。

「色々面倒だったが、これで仕舞だ。雨竜、指輪を渡せ」
「・・・・・・・は?」

 今の脈絡は?

「指輪は賊の手に・・・・」
「お前の胸のやつだ。忌々しい。俺がもっとすげーのやっから、他の男から貰ったそんなもん、とっとと外・・・」
「嫌です」

 皇子にみなまで言わせず断った。

「あんなチンケな死神よりも、俺の方が100倍良い男だろうが!!」

 気のせいか、話が低次元になってきたような?

「仰せの意味を図りかねますが」
「俺のものになれ!」
「謹んでご辞退申し上げます」

 まだ掴んだままの僕の左手から、皇子の霊圧が流れ込んでくる。
 伝える術を知らぬ子供のようだ。
 必死で何かを掴もうともがいているような。
 初めての恋に戸惑い、どうしていいのか分からず僕に喧嘩をふっかけた黒崎のような・・・・。
 この皇子は、僕の事が、好きなのか?
 本当に?

「・・・何をそんなに驚いている。今まで散々言葉にしたろう」

 そりゃ驚くよ。
 黒崎みたいな物好きが二人もいるなんて。

「まあでもその話は後だ。指輪を渡せ」

 話が指輪に戻った。
 左手は自由にならないので右手でしっかり握っていたが、皇子が力ずくでそれをもぎ取ろうとする。
 何で?
 これくらい、いいじゃないか!
 ここに来て初めての大切なものなんだ!
 何もかも取り上げないでくれ!
 こんなにも、あんたたちの言うがまま暮らして来たんだ!
 ひとつくらい、僕に自由なものをくれ!!

「雨竜様!!」

 頭上から凛とした声が降ってきた。
 撫子の声だ。間違いない。

「撫子っ!!」

 助けを求めるような口調だったかも知れない。
 撫子がそれに応える。

「雨竜様!これを─────」

 何かが空を切り、僕に向かって飛んできた。
 思わず指輪を離し、それを受け取る。
 懐かしくも手にしっくりと馴染む、銀色のフォルム。

 久しぶりに手にしたそれは、100年前僕が王に預けた筈の、滅却師十字だった。



■何だろう。これはこれで楽しいぞ、皇子×雨竜(笑)^^
■妄想してたのとちょい話が違ってきたが・・・・どうしよう。
■というか、本編が王族ストーリーになる前にとっとと終わりたい。恥ずかしいから・・・・・。
■話長過ぎ。同人誌作れるよ。懐かしいわ(怒)

■誤字・脱字・変文が心配・・・・・


 

拍手[13回]

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Re:やまぴ様

もも、申し訳ありません
確かに『恋の連立方程式』をクリックすると、『ワンピース』に飛んでいました
直しましたので、どうぞご確認下さい>人<;
そしてよくよく調べてみたら、『ai☆koi2』も別のページに飛んでいて、これも修正致しました。
お知らせ下さり、ありがとうございます。本当に感謝です
前にも勝手に他のページに飛ぶというハプニングがございまして、これは忍者の方の問題みたいです。
油断してたら何度でも飛ばされるというのが理解出来ましたので、これからは気を付けます。
(恐らく)他の方々にも大変ご迷惑をおかけしました。マジすみません

グリーンのワンピ、石田に似合いますよね!><b☆
いやいや、出来れば『恋連方』の中編もお読みくださいませ^^;
明らかに中編と後編は続いてるので、読んでないと戸惑われた事でしょう。
勝手に飛ばされるのはもう3度目なので、忍者を軽く呪っておきます(笑)

拍手とコメントとお知らせ、ありがとうございました


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