拍手お礼SS 恋雨 石田視点 『唇が忘れない』 恋雨SS 2009年05月05日 唇が忘れない ──恋雨 石田視点── 阿散井の気配が不意に……色めくものに変わった。 俄かに緊張する僕にお構いなく、大きな手が背中に回り抱き寄せる。 こういった行為は寧ろ不得手だと思っていた阿散井の指が、少しの躊躇もなく僕のニットの中に滑り込む。 指の腹で肌を直に撫でられると、覚えたての甘い刺激にまだ慣れず……つい抗い、服の上からその手を止める。 彼はいつも性急に求めてくるが、リードが巧いのかいつの間にか阿散井のいいようにされてる気がする。 経験の差にしても、正直ものすごく悔しい。 阿散井の口づけが降る。髪に。瞼に。唇の横に。 軽く吸うような刺激も甘く、たったそれだけの事で、容易く波に攫われそうになる。 唇が離れると一瞬の間を置いて、阿散井の舌が耳の穴に差し込まれ、体がビクリと大きく跳ねた。 何でこんな所が感じるんだ?僕だけなのか? しかし誰と比べる訳にもいかず、考えるのを放棄する。 阿散井の指が、また僕の肌の上を滑り出す。 気がつけば、僕の手は縋るように彼の衣服を握り締めていた。 屈辱だ。でも直にどうでもよくなる。 口づけられる頃には、溺れて、流されて、君以外何も見えなくされている。 「俺ぁ、何だってこんなに……お前にイカレちまったんだ?抱けば抱くほど、おかしくなる。」 そんなことを呟く君の言葉は口づけに変わり………。 これから先何を忘れても失くしても、君の声だけはきっと……僕の唇に残る。 ■ 微エロ??ギャグにならないように頑張りました!え?頑張るトコ其処? □ 阿散井はテクニシャンらしいです(笑) [1回]PR