[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
初恋
自覚してしまった後の片想いってやつは、かなり辛いもんがある。
好きになった奴が男だったとか、とうてい叶えられそうもない恋だとか、そんな事よりも。
そいつもまた片想いで、俺以外の相手をひたすら優しく見つめている。
そんな姿を追う度に、焦がれた胸がジリジリと小さな音をたて、自身をゆるりと焼き尽くす。
しかもこれが俺の初恋だってんだから、始末に負えない。無意識だった嫉妬も、今ははっきりと輪郭を成す。
そうじゃなくとも自分は不器用なのに、あいつは男で・・・・寄ると軽く喧嘩腰になるしで、頭ン中グチャグチャになっちまう。
どんな事でも白黒つけたがる俺が、こんな状況にいつまで耐えられるのか、甚だ疑問だ。
窓際の席で、石田が本のページを捲る。
白く形の良い指が滑らかに動き、眼鏡の奥の目も落ち着きをたたえ、穏やかな空気を醸し出す。
そういったあいつの作る世界も、言葉も、仕草も、表情も。
人となりも含め、いつからか全てが愛しくなっていた。
人を好きになるのに、ホント、理由なんてねえんだな。
『黒崎』と、石田が俺を呼ぶ声は耳を震わせ、胸を震わせ、全身を甘く痺れさせる。
俺はこの気持ちを慎重に扱わなければならない。
俺は思った事を直ぐ口に出す性格だから、あいつの誇りを傷つけないよう、あいつの目を力尽くでこっちに向けさせないように。
俺はあいつに気付かれず、あいつの事、大事にしたい。
初恋は実らないっていうけど、今はそれで充分だ。
■後書■
いや初恋実るから。良かったね一護(笑)しっかし、すんげーポエムでどうしてくれよう・・・・私。