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君無き世界(倉庫)

イチウリ妄想暴走日記へのご来訪、ありがとうございます^^

拍手お礼SS 一護ポエム

                            初恋 





自覚してしまった後の片想いってやつは、かなり辛いもんがある。
好きになった奴が男だったとか、とうてい叶えられそうもない恋だとか、そんな事よりも。
そいつもまた片想いで、俺以外の相手をひたすら優しく見つめている。
そんな姿を追う度に、焦がれた胸がジリジリと小さな音をたて、自身をゆるりと焼き尽くす。
しかもこれが俺の初恋だってんだから、始末に負えない。無意識だった嫉妬も、今ははっきりと輪郭を成す。
そうじゃなくとも自分は不器用なのに、あいつは男で・・・・寄ると軽く喧嘩腰になるしで、頭ン中グチャグチャになっちまう。
どんな事でも白黒つけたがる俺が、こんな状況にいつまで耐えられるのか、甚だ疑問だ。


窓際の席で、石田が本のページを捲る。
白く形の良い指が滑らかに動き、眼鏡の奥の目も落ち着きをたたえ、穏やかな空気を醸し出す。
そういったあいつの作る世界も、言葉も、仕草も、表情も。
人となりも含め、いつからか全てが愛しくなっていた。


人を好きになるのに、ホント、理由なんてねえんだな。
『黒崎』と、石田が俺を呼ぶ声は耳を震わせ、胸を震わせ、全身を甘く痺れさせる。
俺はこの気持ちを慎重に扱わなければならない。
俺は思った事を直ぐ口に出す性格だから、あいつの誇りを傷つけないよう、あいつの目を力尽くでこっちに向けさせないように。
俺はあいつに気付かれず、あいつの事、大事にしたい。
初恋は実らないっていうけど、今はそれで充分だ。




■後書■
いや初恋実るから。良かったね一護(笑)しっかし、すんげーポエムでどうしてくれよう・・・・私。

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