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君無き世界(倉庫)

イチウリ妄想暴走日記へのご来訪、ありがとうございます^^

また寒い季節になった


「零番隊の三席なら、普通にしてれば美女が群がって来るようなポジションなのに、何でこんな女っ気の無い後宮に来たの?」
「まだ尸魂界に来て100年足らずって本当?彼女とかいるの?」

 僕の身の回りの世話を仰せつかってる二人の侍女、楓と撫子が黒崎へ矢継ぎ早に質問している。

「いや、俺は王の側近くを希望していただけで、ここは予想外だったっつーか・・・・て、女だらけだろここ?何で女っ気が無いなんて言うんだ?」
「後宮に住む女は全て王の物。手を出せない美女なんて、いないのと同じよ。男がここにいるってのが奇跡。あんたは未だかつて類を見ない、例外中の例外なのよ?」
「そうよそうよ。ここに配属って聞かされた時は、てっきり門番か何かだと思ってたのに、まさか雨竜様付きの護衛とはねぇ・・・・」
「でも、雨竜様って男だよな?」

 見れば分かるだろ・・・・・。
 未だ節穴なのか君のその目は。

「お美しいでしょ!惚れんじゃないわよ」
「大丈夫だっての。そういうのも全部リサーチ済みなんだろどーせ」
「勿論!雨竜様に粗相あらば即刻首を跳ねるから、そのつもりでね?」
「首にするという意味じゃないわよ?言葉通り頭と胴体を切り離すから宜しく」
「・・・・いやねーから。宜しくすんな」
「あ、でも、あたしなら手ェ出したとしても、左遷程度で済むわよ?試してみる?」
「あんたらのオモチャか俺は・・・・・」

 遊ばれてるな、黒崎。
 会えるなんて思ってなかったし、しかもこんなに側にいられるなんて、信じられない幸運だ。
 この時間が、出来るだけ長く続くといい・・・・・・。

『後宮に住む女は全て王の物』

 その通りだ。だから僕は女物の衣装を身につけている。
 黒崎の記憶が無くて良かった。
 もし僕を知ってる黒崎がこんな姿を見たら・・・・・・

「お前、やっぱりそういう趣味が・・・・そのカラフルな袴みてーな服、石田が作ったのか?あの滅却師の衣装も大概だったけどな」

 とか言われるんだろうな・・・・・・想像なのにムカついた。
 まあ、この衣装は確かに僕が仕立てたんだけど。
 他にする事が何も無く、最高級素材で何の躊躇もなく服を誂えるのは、気分転換になるし。

「なあ・・・・俺ここに来て一ヶ月経つけど、まだ一度も王は来てな・・・・ええと、お運びにならない?よな?」
「伽って事?」
「いや・・・・その・・・」
「100年前、ここの側室や女官・侍女たちを処分された時、女はもう懲り懲りだと仰せだったけど・・・・今は雨竜様を殊の外お気に召していらっしゃるから、お渡りは半年に1度。お忙しい王には結構頻繁な方よ」
「・・・・・・随分ご高齢に見えたけど」
「見た目より100倍お元気であらしゃるわよ」

 ちょっと・・・・心穏やかに聞いてる余裕が無くなり、思わず誰にでもなく声をかける。

「あの!何か飲む?コーヒーでも淹れようか?」
「私はブルマンを。ブラックでお願いします、雨竜様」
「私は紅茶がいいです。オレンジペコでミルク入り砂糖無し」
「え!?雨竜様付きの侍女だろ?あんたらの仕事じゃないのか??」
「だって、雨竜様が淹れた方が美味しいんですもの」
「そう思うんなら三席が手伝ってきなさいよ」
「三席言うな!俺は黒崎一護だ!!」
「一護は何にするんだ?」

 黒崎の名前を呼ぶと、ちょっと驚いた顔で僕を見た。

「俺・・・私の事は、黒崎とお呼び下さい」

 名前を呼んだだけなのに、何で赤くなるんだ?

「知らないの?ここでは名字は使わないのよ」

 そう。だからここでは僕の姓を知る者は誰もいない。
 名前以外にも、捨て去ったものは沢山ある。
 でも今は、一番大切な奴だけは、僕の元に戻ってきた。

 他には何もいらない。



◆◇補足しますが、ここでの1年や2年や10年は、結構アバウトに数えられます(笑)
100年前も102年前も110年前も大体大雑把^^;
 

日記・・・・・・・・・・もういいや。

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