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君無き世界(倉庫)

イチウリ妄想暴走日記へのご来訪、ありがとうございます^^

やっとこさ王族ネタ続きです>人<;

∑うおぅ?久しぶりに入った忍者のブログ、また管理ページ変わってる。
次はもうちっと早くUPするよう心がけたいものだ。
てな訳で、ご無沙汰の王族ネタ続きです^^;



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 あれから半年近く経った。
 黒崎の在・不在に関係なく、ここは何も変わらない。
 どうなっているのかは知らないが、宮中に咲き誇る花さえも、枯れることなく姿を保つ。



 そしてその日の朝も、何の代わり映えも無く始まった筈だった。



 朝食の時間が過ぎても撫子と楓は現れず、僕は軽めの食事を自分で作り腹ごしらえした。
 バルコニーに出て霊圧を探るが、特に目立ったものは感じられない。
 同時に、僕付きの手練れの侍女二人の霊圧も見当たらない。
 僕はクローゼットへと向かい、王より賜ったリングを指に填めた後、予め用意しておいた動きやすい服に着替えた。

 今日はいつにも増して何も感じない。
 普段は楓や撫子がいて賑やかな雰囲気に見えるが、霊圧の起伏が変わる事はない。
 僕がここに来てから一度たりと・・・第二皇子が来訪した時も例外なく、ここはいつでも波を打ったように静かだ。
 王都で何かが起こっても、今は皇后不在で力を持つ側室もいないから、後宮に現れる者はいないと思うが・・・・・。

「失礼致します」

 撫子でも楓でもない侍女が、慇懃に僕の部屋へ訪れた。
 手に花を持っている。空いている花瓶に活けるのだろう。

「あの、撫子か楓を知らないかな?朝から見ないんだけど」
「はい。二人とも急なお召しとかで、昨晩から零番隊の方へ・・・・・どちらか呼び戻しますか?」
「ああ、別にいいよ。ありがとう」

 夕べから零番隊へ?僕に何の連絡もなしに?
 二人が零番隊へ行くのを伏せても、最もらしい理由を僕に寄越しもしないのは変だ。
 いや、それより何よりこんな時間まで、誰も僕の様子を伺いに来ないのはおかしい。 
 そして目の前で花を活けている侍女が、さも何事も無く振る舞うのは何故だ?
 僕は朝から、バリバリに戦闘モードの霊圧を周囲にアピールしている。なのに、今この後宮にいるのは、どれほど凝らして霊圧を探っても、僕と彼女の二人だけしか感じられない。

「雨竜様、急な話で申し訳ありません。これから魂雷命皇子がお見えになるので、宜しければ私がお支度の手伝いを致します・・・・」

 このタイミングであのバカ皇子?
 ていうか、いつもならあれが来たら、後宮総出で門前払いが暗黙の了解だった筈では?
 この侍女は、僕が後宮に上がる前からの腹心の一人と聞いていたけど・・・・・。

「・・・・・支度は別にいい。もう下がっていいよ」

 僕はここに来てから、一度も着替えを手伝ってもらった事なんかない。
 もしかしたら、今どこかで起きているかも知れない嵐に、僕が関わっているのだろうか?
 身に覚えは全くないが、今まさに目の前に火の粉が迫っているということか。

「ですが・・・そのように軽いお召し物では、皇子のご不興を買うのではないかと」

 いくらでも不愉快になってるがいいさ!
 それより、そんな事より・・・・・。

「他の侍女たちはどうした?」
「・・・・お優しいこと。無事ですわ。当分仮死状態から目覚めることはございませんが」

 仮死状態・・・・だから霊圧が感知出来なかったのか。
 彼女の言葉が真実かどうかは怪しいが、そうであって欲しい。

「君の名前・・・確か、菖蒲、だったかな」
「私のような、雨竜様にはほとんど目通りの無いお末の者の名を、よくご存じで」
「君は以前、魂雷命皇子に階下に落とされ、怪我をした人だよね」
「・・・・・その節はお気にかけて頂いた上、見事な品を賜りありがとうございました」
「皇子は、僕をどうしたいんだ?」
「勿論、お側に置いて心ゆくまで愛でる・・・・・」
「違うよね?あの皇子は愚かだが、そんな事では動かない。玩具のために後宮でここまでしない。何かが起きてるんだ。それは僕の預かり知らぬ所で、既に僕を無関係でいられなくしている」

 菖蒲の面から、侍女らしい慎み深い笑みが消えた。
 代わり、怒りや苦悶や悲しみを内包したような、鋭い目で僕を射た。

「雨竜様は、お幸せでございましたか?」
「・・・・何?」
「この尸魂界で絶対の存在である、あの老いぼれの皺皺の手が、その白い肌を余すところ無く触れられるのが、本当に望外の幸せでいらしたのですか?」

 それは・・・・・・。

「雨竜様はお美しいわ。その気になればどんな美女も侍られませましょうに。何もあんな年寄りの・・・・しかも男の相手など。雨竜様はいっそ儚くなられた方が、今よりずっと楽なのではありませんか?」

 儚くって・・・・・それ、死ねって言ってんの?!
 いや!死にたくないけど?生きてた方が楽ありゃ苦もあるけど、多分死ぬよりは幸せだと思うよ僕の人生!!
 黒崎が笑顔でいれば、それでいい。
 他には何もいらないから。

「菖蒲、僕は・・・・」

 続く僕の言葉を、背後から伸びた手が遮る。
 いつの間に接近されたのか、男の掌に口を塞がれ、身動きが取れない。何者だ?

「指輪は何処だ?」

 聞き覚えの無い低い声が、僕にではなく菖蒲に問いかけた。

「確認はまだよ」

 そう応え、菖蒲は僕の左腕をねじ上げた。

「肌身離さず身につけるように言われてたのはこれだけど、後はクローゼットの物を全て持ち出すしかないわね」
「他には?」
「・・・・・そういえば、首に下げていたのも指輪だったような」
「今してるのか?服の中か?」

 ─────嫌だ!!!

 それは違う!黒崎から貰った物だ!!関係ない!!
 やめろ!!嫌だ!!

 僕は渾身の力を振り絞り、男の手に抗った。
 だが男は少し手こずる程度で、僕の胸元を探す手を止めない。

「これか?」

 男が僕の服の上から指輪を確認した。

「違う!それは王より賜った品じゃない!!それはただの・・・・」
「この服はどういう仕立てだ?菖蒲、前をはだけさせろ」
「・・・・・そうは言われても、私もこんなおかしな服は初めて見るのよ。どう脱がせたらいいのか」

 伝統的な滅却師の衣装だよ!!
 こんなトコまで来て「おかしな服」呼ばわりされるとは思わなかったよ!!!

「面倒だ。ナイフで切れ」
「ええ」

 菖蒲が懐剣を取り出し、僕の服を切り刻む。
 そして男が指輪に触れようとした、その時。


 大地を揺るがすような霊圧が後宮を囲み、全ての動きを止めた。





■Σあれ?何か小説みたいになってんよ??粗筋だけでパパッと終わるつもりだったのに・・・・。オリキャラしか出てこないし何だかな。読み返してないので誤字・脱字あったらごめんです。
■えと、期待させたら申し訳ないので、少しだけネタばれ。黒崎くんは当分出てきません。早く黒崎登場まで漕ぎ着けたいよぅ。
■・・・・PCの部屋が寒すぎて、うっかり長居したらお腹を壊しました。普段は頑固な便秘症なのに、冷えるとすぐトイレの住人になる。
あ、日記書いてない・・・・・・スカトロの話したからもういいか。




 

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